あなたは、なぜ帳簿をつけているのですか?
大企業はわかりやすいですね、投資家がいますから。
「投資家のためです」
しかし世の中の大半を占める親族経営の中小企業ではいかがでしょうか。
法律で決まっているから?
税務署が怖いから?
銀行に決算書が欲しいといわれるから?
しょうがなくつけてる。
その通りです。もちろんそうだと思います。
色々な考え方があるし、どれも間違いではないと思います。
では法律の定めがなく、税務署に提出の必要がなく、銀行も決算書は別にいらない。外部から必要とされなければ、あなたは帳簿を作成しないのですか?
どうでしょうかね。
そうだよ、それだったら帳簿なんかつける必要はない・・・のでしょうか?
こちらでは、帳簿をつけることって大事なんですよ。
会計はあなたのために重要で、だからしっかりやらないといけないんですよ。
ということをご紹介させていただきます。
あなたも、何かめんどくさいなぁ。とは思いながらも、事業を行う上で帳簿をつけなければいけない。ということは何となくご存じであるかと思います。
今は法律にも定められ、必ず作成しなければならない 「帳簿」 ですが、
一体いつから帳簿をつけなけばいけなくなったのでしょう。
世界で初めて帳簿の作成が義務化されたのは、
「1673年 フランス・ルイ14世の商事王令」だそうです。
300年以上の歴史。そんな前から?と思うか、意外とそんなに新しい?と思うか。
お伝えしたいのは、そんなことではありません。
当時のフランスは、大不況の真っただ中。企業倒産が続発、自殺や夜逃げが大発生。
そんな中、何か倒産防止のための政策はないものか。と誕生したのがこの「商事王令」であり、この中で倒産企業の特徴は、帳簿の作成がいい加減であることに着目し「記帳」が義務付けられたのです。
義務を果たさなければどうなるのでしょう。
この王令では「破産時に決算書、帳簿を提出できなかったら・・・ギロチン刑に処す」
と定められています・・・
記帳をしないということは、時代が時代なら、処刑されてしまうほどの重罪だったのですね・・・仮に破産しても、帳簿をきちんとつけていれば、なんとか処刑は免れるようです。
ではなぜ、ちゃんと記帳をしないことがこんなに重罪とされたのでしょうか。
きちんと帳簿をつけない状態が、破産を招く。
逆に、帳簿をきちんとつけることで防げる破産がある。
ということを知っていたのではないでしょうか。
ちなみに、もう一度確認しますが、300年以上前の話です。
色々考察できると思いますが、現代までの間に帳簿なんか必要ないのではないか、記帳を義務化する必要なんかない。という結論には行きつかな無かった。ということは、一つあげられそうです。
「黒字倒産」という言葉を耳にしたことはありませんでしょうか。
黒字なのに倒産するとは、どういうことでしょうか。
まず、倒産するということは、一般的に「返済・支払義務のあるものを返済・支払できない状態」になってしまった。ということでよろしいかと思います。
黒字なのに倒産?
利益が出てるから黒字なんでしょ?
と思われた方もいらっしゃると思います。その通りなのですが、
「利益が出る」=「お金が余った(残った)」ではないということです。
会計の世界では、利益になるのにお金にならないものや、利益にならないのにお金になるもの、お金を払っているのに経費にならないものや、お金を払っていないのに経費になるものがあります。
ややこしいですね。
例えば、第1期に100万円借り入れ、翌年 第2期に一括返済した場合に、取引がこれだけだったら・・・
借り入れた年には100万円の利益になるのでしょうか?
お金を借りただけで、利益にはなりませんよね。これが利益になり税金をかけられたりしたら、たまったもんじゃない。ということがすぐにわかると思います。ということは、第1期の利益は0円。
では、返済したときはどうでしょうか?
こちらも、今度は経費にならないということがお分かりいただけると思います。
借りたときは利益にならないけど、返済したときは経費。ということにはなりませんよね。
もし経費にする。なんてことができれば、借りて返してで、経費を無限に計上できることになってしまいます。
ということで第2期も利益は0円。
そして、この第1期・第2期に、それぞれ、もしあと現金売上が5万円だけあれば、この2期間は、それぞれ利益が5万円ということになります。
ここで初年度の100万円を生活費に使ってしまったら・・・
2年目は、利益5万円で黒字なのに、とても100万円の返済ができずに黒字倒産ということになります。
利益に関する損益と、お金に関する収支の違い。これが黒字倒産の仕組みです。
さて、帳簿について、記帳義務の始まりと、黒字なのに倒産するということもある。ということを見てきました。
では、帳簿をつけるということは、どういう効果があるのでしょう。
あなたは、会計事務所から数字の報告を受けた時、こんなことがありませんでしたでしょうか?
そんなはずはない、思ったより利益が出てない!
逆に、そんなに利益が出ているはずがない!
黒字倒産の項目でご紹介させていただいた、損益と収支のズレ、というものは数多くあります。
これを全て頭の中だけで整理し、このくらいの利益になるだろう。と正確に把握することは、至難の業だと思います。
なので、むしろ損益と収支のズレ、あなたの予想と帳簿上の数字とのズレは発生するのが当然のもの。
といってもよいと思います。
しかし、きちんと適時に帳簿をつけていればこの、「そんなはずはない」は、大分防ぐことができたと思います。
帳簿は結果としての数字であり、現在の数字自体が変わるわけではありませんが、
帳簿を作成することで、ズレを把握することはできます。
重要なことは、帳簿を早期に作成し、この「ズレを早期に把握すること」です。
たとえば、帳簿なんて作成するのは面倒だけど、しょうがないので年一で作成している場合。
決算前まで、今期は赤字だ。税金の心配はいらないだろう。
と思っていたところで、~~百万円の黒字だった。
なんてことになったらどうでしょうか。
そんなはずはない!税金が払えない!
となってしまうのではないでしょうか。
逆に、今期は何とか黒字で終われそうだ。一安心。
と思っていたところで、~~百万円の赤字だった。
そうすると、
赤字じゃ困る!銀行に決算書が出せない!
といったことになりかねません。
もし、期首から6~9ヵ月目あたりで、すでにズレを早期に把握していたら・・・
このままではいけない、何とか手を打とう。
ということができたのではないでしょうか。
少なくとも状況を早く理解し、納税を意識したりはできただろうと思います。
ズレを早期に認識して、対応すること。これが重要なのです。
帳簿をつけるということで、「正確な現状」 を早期に知ることができます。
過去や現在の数字は変えられませんが、手を打つことで、未来の数字は変わっていくかもしれません。
あなたに対応策を練る準備期間ができることは間違いないと思います。
「そんなはずはない」にならないためには、やはり「適時に帳簿を作成すること」が重要なのですね。
帳簿を適時に作成することで、損益とお金の収支のずれや、あなたの予想とのズレを早期に認識することが重要です。ということをお伝えしました。
せっかく早期に帳簿を作成する体制ができたのであれば、「未来会計」を導入しませんか?
未来会計?
帳簿をつける必要性、帳簿をつけることにどんな意味があるのか。
今までお伝えしてきたことは、全て終わってしまったことに対しての会計のお話でした。
これを当事務所では「過去会計」と呼びます。
これに対し、将来の目標を立て、これと現在を比較検討し、目標達成に向かう未来に向けた会計を「未来会計」と当事務所では表現しています。
吉田松陰の名言です。
夢なきものに理想なし
理想なき者に計画なし
計画なき者に実行なし
実行なき者に成功なし
故に、夢なき者に成功なし
ご存知の方も多いと思いますが、これを会計に置き換えるとどうなるのでしょうか。
夢 → 長期事業計画
理想 → 中期事業計画
計画 → 短期事業計画
実行 → 短期事業計画と実績との「予実管理」
こんな感じでしょうか。
そうすると当事務所では、目標達成に向かう、未来に向けた会計を未来会計と呼ぶので「未来会計なき者に成功なし」となります。
ちょっと大げさかもしれませんが、全くの間違いではないと思います。
大企業で予実管理をやっていない会社があるのでしょうか?
間違いなくそんな大企業ありません。
では、予実管理は大企業だけのためのものでしょうか?
もちろんそんなことはありません。中小企業でもどんどん導入すべきものです。
しかし、あまり導入が進んでいないのが現実です。
予実管理なんて大げさだなぁ。
そんな計画なんて、面倒くさい。
うちの会社はそんな規模じゃないよ。
絵に描いた餅だよ。
あなたも、まずはそう思われたのではないでしょうか。
やはりまずはそう思われる方が多いですし、確かに、その通りだと思います。
何となく大げさだし、面倒くさいし、そんな計画は絵に描いた餅かもしれません。
なぜそう思ってしまうのでしょうか。
中小企業で、事業計画を立てること、予実管理の導入が進まない理由。
この原因は大きく2つあると考えています。
次の項目では、この2つの原因を分析していきます。
中小企業で予実管理が進まない2つの理由
1つ目は、メリットがわからないこと。
メリットがわからないから、面倒くさい。
事業計画を作成するための時間や費用が釣り合わなく感じる。
もし、事業計画を立てて、予実管理をするだけで、翌期は売上が2倍!
なんてことがあれば、面倒くさい。なんて考える人はいないですよね。
多少の時間や費用は何とも思わないはずです。
確かに、正直なところ、予実管理にすぐ目に見えてのメリットがないのです。
しかし、予実管理をやり始めたら、ものの数回の月次で実感できるはずです。
数字という明確な目標の重要性を。
例えば、新年に、よし今年も頑張ろう。
という目標を立てたとします。
何をどのくらい頑張るのでしょうか?
こんな何の目安もない中で、ただ「頑張ろう」では、今どこにいるのか、あとどのくらい頑張ればよいのか、何を頑張ればよいのかも分からずに、ただただ疲弊します。
ここで、目標が、よし今年は売上1,200万円を目指そう。
であれば、毎月100万円の売上だな。
今月は達成できた、今月はあと10万円だった。10か月終わって980万円、あと20万円追いつくぞ!
毎月、進捗を把握し、現在の位置、目標まであとどのくらいかがわかるのではないでしょうか。事業計画は、これをもう少し作りこむ。ということです。
結果的に、よくわからずに頑張っているだけよりは、良い結果となることは当然です。
要するに、絵に描いた餅でもよいのです。そのうち予想も上手になります。
目標があることが重要です。
達成できなくても達成率がわかればよいのです。
今どうなのか、数字で把握できればよいのです。
そうすれば、今後どうなるかが数字で予想できます。
結果、今後どうすれば良いのか数字で対策を練れるのです。
今月はあとどのくらい売上があればよいのだろう・・・というような不安は、払拭することができるのです。売上があと~~万円必要だ。とわかるはずです。
何をもって成功、というかは色々な考え方があるかと思いますが、未来会計が成功に近づくための武器になる。とは言えるのではないでしょうか。
あなたは今、会社のどこの数字にどのくらい問題があるか、どこが良いのか、「数字で」把握していますか?今回の決算が数字で見えていますか?
これが大きなメリットです。
未来会計をやり始め、数字を見始めると、もう数字がわからない状態ではいられなくなるはずです。
そして、なかなか導入できない原因の2つ目は、やり方がわからないこと。
まぁ、やった方がいいのだろうな。
と思ってはいても、何かよくわからないし大変そう・・・
やり方がわからなければ、もちろんできません。
こちらは、当事務所で全面的にバックアップさせていただきますので、ご安心ください!
流れとして、まずは簡単な質問事項にお答えいただき、3~5年の中期計画を作成いたします。
このうち1年目を今後の予算とし、実績と比較していきます。
あとは、なぜ達成できたのか。なぜ達成できなかったのか。
これを分析し、達成できたのであれば、より伸ばす。
未達成であれば、達成率を上げるための対応策を考える。
目標値自体に誤りがあれば修正する。
これだけです。難しいことは何もありません。
これだけで必ず変わります。何もない状態とは比較になりません。
ただし、考え方によって未来会計があまり向かないビジネスモデルがあります。
売上のキャパが決まっていて、今までも、これからも、特に変化の予定はない。
今後も今まで通りで良い。という場合です。
当事務所では、未来会計が必要ないビジネスはない。
同じなら同じで、そのことを常に把握し、意識すべきだ。
そうすると、いつか、本当にこのままで良いのだろうか。
という意識改革が起こるかもしれないし、数字に変化が出た時に敏感に感じ取れる。
と考えておりますが、費用対効果を考えた時に、満足度が低くなってしまうケースもありますので、あまり向かないケースとしてご案内させていただきます。
いかがでしょうか。メリットとしては、あなたは「未来会計」を行うことで、成功に近づくための武器を手にすることができるのです。
やり方は、当事務所がバックアップいたしますので、ご安心ください。
さて、長々と帳簿の重要性、会計の重要性について、お伝えさせていただきました。
では、この帳簿は誰が作成するのが良いのでしょうか?
帳簿は、会社が資料をそろえて、会計事務所でパソコンに入力し作成するものだ。
あなたもそう思われたかもしれません。
しかし、当事務所では、帳簿は会社で作成するもの。
と考えております。
会社で会計ソフトを利用して記帳を行うことを「自計化」と言います。
こちらの詳細は「自計化について」や、「よくある質問」に記載しておりますのでご確認ください。
さて、もう一度ご質問させて頂きます。
あなたは、なぜ帳簿をつける必要があるのですか?
法律で決まっているから?
税務署が怖いから?
銀行に決算書が欲しいといわれるから?
もちろん確かにそうですね。
でも、今のあなたなら、違う答えがあるはずです。
現在の会社の状態を正確に数字で把握することで、
自分自身を守り、事業を安定、もしくはどんどん成長させるために必要だからですね!
自計化支援、未来会計は、小長野公認会計士事務所へご連絡ください!
ご連絡は、お電話 03-5657-3233 もしくは 「お問い合わせフォーム」からどうぞ!